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やまねむ
 山眠る
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 気が付くと、すっかり陽が落ちていた。
 いい加減寒くなってきたから窓を閉めようと、高耶が寝室に戻ってみると、真っ暗な中に直江が立っていた。
 その眼の異様さにぎくりとする。
 直江の長い腕がまっすぐに伸びてきて、高耶の首を掴んでそのまま力を入れた。
「ぐっ………!」
 高耶は苦悶の声をあげながら、直江の腕を掴む。
 それでも抵抗らしい抵抗はしなかった。
 まともに呼吸が出来ず、頭に血が上り、だんだん意識が遠のいていく。
「な……お……」
 あまりの苦しさに眼を見開いた瞬間、パッと開放されて高耶は咳き込みながら床に膝をついた。
「ゲホッッ────ゲホッッ……ッ」
 必死で息をしようと這いつくばる。
 そんな高耶を気遣うようすもなく、直江は高耶の下着ごと服を掴んで下ろすと、自分のモノを一気に挿入した。
「アアアアアッ!アアアッ───………!」
 激しく突き上げられながら、高耶はその行為の意味をもう考えない。
 反射的に抗おうとする手足から、必死に力を抜こうとする。
 抵抗したくないからだ。
 今は直江の全てを受け入れたい。
 直江もきっと、何かを受け入れるために苦しんでいるのだから。

 そうだ、直江。
 もっとぶつけてくれ。
 おまえの苦しみ、怒り、悲しみ。
 おまえの全て。
 何もかもを受け止めると決めた。
 この哀しい気持ちも俺たちふたりで生み出したもの。
 オレたちが存在する証。
 だからオレは目を背けたりしない。
 おまえが"想いから生まれるもの"に責任をとるというのなら、オレだって同じだ。
 オレにも責任を取らせてくれ。
 オレから生まれたおまえ。
 その全てに。

 直江は高耶を仰向けにして足を押さえると、更に突き上げる。
「アッ……アアッ……!……なお……え……ッ」
 お互いの熱い吐息を感じながら、瞳を見つめあう。
 そうして揺さぶられていると、いつしか高耶は、自分の内の更なる感情に気付く。
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